表面の融解水が東南極氷河の底部に流れ込み、氷河がより速く海に向かって流れる原因となっている [1]

このメカニズムは、気温上昇が、これまで比較的安定していると考えられていた地域の氷喪失を加速させ、世界的な海面水位に影響を及ぼす可能性を示唆している。もし表面水が深い氷層を突き抜けて基盤岩まで到達できるのであれば、東南極氷床の安定性は、これまでのモデルが示していたよりも脆弱である可能性がある。

2026年6月に報告されたこの研究は、北海道大学の杉山慎教授らの研究チームが主導した [1, 2]。研究者らは東南極の氷河のダイナミクスに注目し、融解水が単に表面に留まっているわけではないことを観察した [2, 3]。

研究結果によると、融解水は表面から氷河の底部へと移動する [1, 3]。水が底面に到達すると、氷と下層の基盤との界面を潤滑にする [1, 2]。この潤滑作用によって摩擦が軽減され、巨大な氷河がより効率的に海岸に向かって滑り降りることになる [2, 3]。

南極はしばしば単一の巨大な氷の塊として見なされがちだが、東南極地域には膨大な量の淡水が存在する [2]。表面の融解が氷河の移動速度に直接影響を与えるという発見は、海への氷の流出率を追跡する気候科学者にとって、新たな変数となる [1, 3]。

本研究は、表面融解を引き起こす大気の温暖化と、基盤岩レベルでの氷の物理的な移動との間の重要な関連性を明らかにしている [1, 2]。このプロセスは、表面融解の増加が海への氷の輸送加速を招くというフィードバックループを形成する [1]

表面融解水が南極氷河の底部に流れ込み、海への流出速度を速める可能性がある

今回の知見は、東南極氷床が「底面潤滑」と呼ばれるプロセスの影響を受けやすいことを示している。表面融解水が氷河底面に到達する直接的な経路を特定したことで、大気の温暖化が、これまで考えられていたよりも即時的に氷の流れに機械的な影響を与えることが示唆され、同地域における氷質量の喪失までのタイムラインが短縮される可能性がある。