国民会議派の重鎮で元ラジャスタン州首相のアショク・ゲロット氏は、もしインディラ・ガンディーが今日まで生きていれば、BJP(インド人民党)を禁止していただろうと述べた。
この発言により、インドの二大政党間の思想的対立が激化している。民主的な対立候補の排除を示唆するために元首相の遺産を持ち出したことで、ゲロット氏は、国民会議派を「権威主義的」であり「ヒンドゥー教徒の利益に敵対している」と決めつけるための材料をBJPに与える形となった。
ゲロット氏は2024年5月26日、ラジャスタン州のジャイプールでこのコメントをした [1]。この発言はBJPの現行政策への批判を意図したものだったが、議論の焦点は政策論争から、政治的正当性と宗教的感情をめぐる衝突へと急速に移行した [2]。
ゲロット氏は「インディラ・ガンディーならBJPを禁止していただろう」と述べた [3]。
BJP側は迅速に反応した。同党の広報担当者は、国民会議派はヒンドゥー教徒に対して憎悪を抱いていると述べた [4]。与党側は、この発言を政治的な批判ではなく、国民会議派の指導部内に「反ヒンドゥー的」な考え方が存在することの証拠であると断じた [2]。
このやり取りは、現在の政治的立場を正当化するために歴史的人物を利用するという、インドの政治的言説における繰り返されるパターンを反映している。BJPは頻繁に、国民会議派が多数派コミュニティに対して偏見を持っていると非難しており、このナラティブを支持基盤の強化に利用してきた。決断力があり、時に物議を醸す統治で知られたインディラ・ガンディーに言及したことは、両組織間の根深い敵意を浮き彫りにしている。
ゲロット氏のコメントはBJPの統治に向けられたものであったが、結果として生じた論争は、民主主義体制において政党を禁止することの意味に集中している。地域全体で選挙戦が続く中、両党が準備を進めるなか、この論争は政治圏で広がり続けている [1, 2]。
“「インディラ・ガンディーならBJPを禁止していただろう」”
この出来事は、インドにおけるアイデンティティ・ポリティクスの不安定な性質を浮き彫りにしている。そこでは「反ヒンドゥー」という告発が動員のための強力なツールとなる。過去の指導者が現在の政治団体を禁止したであろうと示唆したことで、ゲロット氏は議論を政策の失敗から、民主主義の規範と宗教的包摂をめぐる根本的な論争へと転換させてしまった。これにより、BJPはナラティブを「国民会議派の多数派信仰に対する敵意」へと方向付けることが可能となった。


