ビッグバン時に形成された原始ブラックホールが、最終的にエネルギーを噴出する「ホワイトホール」へと転移する可能性があると科学者らが発表した [1]

この理論的な転換は、ブラックホールの蒸発に関する既存の見解に挑むものである。もしブラックホールがホワイトホールへと「跳ね返る(バウンスする)」ことができるならば、観測可能な宇宙から情報や物質が永久に失われるという長年のパラドックスを解決することになる。

2026年5月に報告されたこの研究は、初期宇宙で生成された原始ブラックホールに焦点を当てている [3]。これらの天体は、これまでホーキング放射によって時間の経過とともに完全に蒸発すると考えられていた。しかし、新たなモデルでは、量子重力効果がこの完全な消失を防ぐ可能性を提示している [3]

消失する代わりに、これらのブラックホールはある臨界点に達し、永遠の蒸発を回避するという。この理論によれば、ブラックホールはホワイトホールへと転移する。ホワイトホールとは、物質やエネルギーを吸い込むのではなく、逆に放出するブラックホールの理論上の対極となる存在である [1], [4]

この転移が起これば、ブラックホール内部に閉じ込められていたエネルギーと物質が再び宇宙空間に放出されることになる [4]。研究によれば、これらの原始的な天体は、従来の計算で示されていたよりもはるかに長く生存する可能性があるという [1], [2]

ホワイトホールは依然として理論上の存在であるが、今回の研究は、そのような転移がどのように起こり得るかという数学的な枠組みを提供した。このプロセスは、従来の一般相対性理論が破綻する極小の量子スケールにおける重力の挙動に基づいている [3]

研究者らは、このメカニズムがビッグバン直後に形成された最小のブラックホールの運命を説明できる可能性があると述べている [1]。ホワイトホールへと変貌することで、これらの天体は初期宇宙のエネルギーを蓄えた「遅延放出カプセル」として機能することになる [2]

原始ブラックホールは、想定よりもはるかに長く生存する可能性がある。

この研究は、原始ブラックホールのライフサイクルにおける根本的な変化を示唆している。もしホワイトホールへの転移が立証されれば、かつては永久に失われたと考えられていた情報やエネルギーを回収するメカニズムが宇宙に備わっていることになり、宇宙進化のモデルやダークマターの概念を塗り替える可能性がある。