国立自然史博物館の研究者らは、昆虫個体数の減少を追跡するため、2024年4月にシチズンサイエンス(市民科学)プロジェクトを開始した [1]。
「Bugs Matter」と名付けられたこの取り組みは、ドライバーの日常的な体験を利用して、大規模な生態学的データを収集するものである。昆虫は受粉や食物連鎖において不可欠な存在であるため、その数が大幅に減少することは、地域の生態系全体の崩壊を示唆する可能性がある。
フランス全土の参加者は、走行後にフロントガラスに付着した死んだ昆虫の数を数えるよう求められている。このデータは専用のアプリを通じて送信され、科学者が全国的な昆虫の密度と分布をマッピングすることを可能にする [1]。車両をサンプリングツールとして活用することで、従来のフィールド調査では不可能なほど広大な地理的範囲をカバーできる。
国立自然史博物館は、フランスにおける昆虫個体数の初の包括的な評価を行うためにこのプログラムを設計した [1]。研究者らは、長距離ドライバーが「数十年前よりも車に付着する昆虫が少なくなった」と指摘する、昆虫バイオマスの減少という現象を検証することを目指している。
この手法は、運転時の一般的な悩みである「虫の付着」を科学的な計器へと変えるものである。プロジェクトは、異なる地域や気候における減少パターンを特定するため、一般市民の自発的な参加に依拠している [1]。フロントガラス上の「衝突痕」を定量化することで、チームは現在の昆虫の豊富さに関するベースラインを確立できる。
このプロジェクトは、一般市民が学術分析に必要な生データを提供するという、オープンソース科学への移行を象徴している。作成されるマップは、フランスのどの地域が生物多様性の喪失に最も影響を受けているかを研究者が特定するのに役立つだろう [1]。
“このプロジェクトは、昆虫個体数の減少を測定するため、ドライバーにフロントガラスの死んだ昆虫を数えるよう求めている。”
このプロジェクトは、環境悪化を監視するためにシチズンサイエンスへの依存度が高まっていることを浮き彫りにしている。通勤者をデータ収集者に変えることで、研究者は従来のサンプリングに伴う物流上のハードルを回避し、生物多様性の国家的スナップショットを得ることができる。もしデータによって広範な減少が確認されれば、フランスにおける授粉媒介種の保護に向けた、より厳格な農業・環境政策を促す可能性がある。




