Goldman Sachs Researchの米国金利戦略責任者であるWilliam Marshall氏は、最近なぜ債券と株式が同じ方向に動いているのかについて解説した。

通常、債券は株式のボラティリティに対するヘッジとして機能するため、この相関関係は重要である。両方の資産クラスが同時に下落すると、投資家は市場ショック時にポートフォリオを安定させるための伝統的な保護手段を失うことになる。

Marshall氏によると、利回りの上昇は将来の企業利益の現在価値を低下させる。米国債利回りが上昇すると、市場全体の金融状況がタイトになり、株式が債券と同じ方向に反応することになる [1]。この傾向は、株価が下落した際に債券が上昇するという歴史的なパターンを打破している。

この現象は前例がないわけではない。2022年には、株式と債券が逆方向に動くのではなく、共に下落した [2]。Morgan Stanleyが分析した150年間にわたる一部の歴史的データは、このような市場行動の変化がいかに稀であり、かつ影響力が大きいかを強調している [3]

外部の経済的圧力もこれらの傾向に影響を与えている。原油価格の上昇が債券利回りを押し上げており、その結果、企業や消費者の借入コストが増大している [4]。これにより、米国10年債利回りは重要な節目である4.5%に近づいている [4]

こうした変化は、より広範な不安定さを反映している。米国債利回りの上昇は、インフレ圧力の再燃と地政学的リスクを示唆しており、借入コストや消費者金融のあり方を塗り替えている [5]。利回りが上昇するにつれ、資本コストが増加し、企業の収益や株価にさらなる圧力がかかる。

5月29日に記録されたMarshall氏の分析によれば、これら2つの主要資産クラスの関係は、インフレのペースと中央銀行の政策の軌道に引き続き敏感に反応するとのことだ。

2022年には、株式と債券が逆方向に動くのではなく、共に下落した。

株式と債券の正の相関は、インフレと金利のボラティリティが市場リスクの主因となったことを示唆している。利回りが急速に上昇すると、それが「重力」のように作用して債券価格と株式バリュエーションの両方を押し下げ、伝統的な「60/40」の分散ポートフォリオによる損失軽減の効果を弱めることになる。