インド準備銀行(RBI)は、今年に入りルピーが過去最安値を更新したことを受け、通貨防衛策を導入した。
この通貨の不安定さは、輸入コストの上昇を招き、外国ポートフォリオ投資家の意欲を削ぐことで、インドの成長シナリオを脅かしている。ルピーが弱含めば、必需品のコストが上昇し、インフレを加速させ、経済拡大を鈍化させる可能性がある。
2026年6月5日、RBIは指標となる政策金利を据え置いた [1]。今回の据え置き決定は、経済成長の必要性と、為替レート安定化の必要性とのバランスを取ろうとする中央銀行の試みによるものである。
複数のマクロ経済要因が通貨に圧力をかけている。原油輸入コストの増大が外貨準備を減少させているほか、イラン・ウクライナ戦争が外国投資家による大幅な資金流出を誘発した。さらに、モンスーンの弱体化への懸念が成長期待を後退させ、投資家心理をさらに悪化させている。
外国ポートフォリオ投資家は、インド株に対してますます弱気な姿勢を強めている。一部のアナリストは、2026年2月の米国・インド間の関税合意を受けてルピーが大幅に上昇すると予測していたが、実際には通貨は記録的な低水準まで急落した。
下落に歯止めをかけるため、RBIは低迷する通貨の防衛を強化している。中央銀行は外貨準備を投入して市場に介入し、広範な金融システムを不安定化させかねない激しい暴落を防ごうとしている。
“インド準備銀行は、ルピーが過去最安値を更新したことを受け、通貨防衛策を導入した。”
2026年初頭の米国との貿易合意に対する楽観論と、現在の通貨危機の乖離は、イラン・ウクライナ紛争に代表される世界的な地政学的不安定さが、二国間貿易協定の影響を上回っていることを示唆している。RBIは金利を据え置くことで国内成長の抑制を避けつつ、直接的な市場介入によってルピーの下落を阻止しようとしているが、この戦略は残存する外貨準備高に大きく依存することになる。


