インド最高裁判所は2023年6月4日[1]、司法制度内における人工知能(AI)の利用を規定する規則案を公開した。

これらの規則は、事務的な効率性と司法上の裁量との間に明確な境界線を設けるものである。事務作業へのAI導入を許可する一方で、量刑や保釈の決定への利用を禁止することで、裁判所は正義における「人間という要素」を損なうことなく、法制度の近代化を目指している。

提案された枠組みにおいて、AIは裁判所の管理業務およびAI支援による法的業務への利用が認められている[1]。しかし、司法上の結論の決定、保釈適格性の評価、または量刑の決定にAIを使用することは厳格に禁止される[2, 3]。この制限は、アルゴリズムによるバイアスを防止し、司法の誠実性を維持することを目的としている[4, 5]。

規則が採択された場合、弁護士には新たな透明性の要件が課されることになる。法務実務者は、訴状の作成にAIを使用した場合にその旨を開示しなければならない[2]。この義務化により、裁判所と相手方代理人が法的主張の出所を把握できるようになり、AIが生成した虚偽(ハルシネーション)や不正確な判例が提出されることを防ぐ狙いがある。

この規則案は、ニューデリーに本部を置く最高裁判所の管轄下にあるすべての裁判所に適用される[1, 3]。この取り組みは、技術進歩の恩恵と、公正な裁判を保障する必要性とのバランスを取ることを目的としている。

裁判所は、この規則案に対するパブリックコメントを募集している[3]。提案の提出期限は2023年6月20日までとなっている[2]

規則では、司法上の結論を決定するためにAIを使用することを厳格に禁止している。

今回の動きは、AIの「ブラックボックス」問題に先手を打つことで、リーガルテック規制において主導権を握ろうとするインドの意向を示している。弁護士への開示義務化と、実際の裁判判断へのAI利用禁止により、裁判所はバイアスの自動化を防ぎ、人間による司法監視という憲法上の要件を維持しようとしている。