専門店などでジビエとしての需要が高まっているにもかかわらず、日本国内ではクマ肉を食用に処理する体制の整備に苦慮している。
認定された処理施設の不足により、肉を効率的に消費者に届けることができていない。これにより、公共の安全のために動物が駆除される一方で、得られたタンパク質が食料源として活用されず、廃棄されるというボトルネックが生じている。
2025年度、日本全国で駆除されたクマの数は1万頭を超えた [1]。クマの個体数増加や人里への出没頻度が高まる一方で、死骸を処理するインフラがそれに追いついていない。この問題は特に北海道で深刻であり、駆除量に対して処理施設が不十分な状況にある。
一部の料理専門家はこの格差を埋めようと試みている。ジビエ(野生鳥獣肉)を専門とするレストラン「Les Cocottes」の深澤一樹シェフは、消費者の行動の変化を指摘する。「以前に比べて、クマ肉を食べに来る客数が増えている」と深澤氏は語った。
物流上のハードルに加え、肉質は季節によって異なり、脂肪分や調理のしやすさに影響を与える。三村渚ディレクターは、肉の風味について「非常に食べやすく、不快な臭いもない」と述べた。
シェフや食事客からの好意的な評価があるにもかかわらず、流通量は限定的なままだ。食品安全基準に従って肉を処理できる施設が増えない限り、駆除されたクマの大部分は合法的なサプライチェーンに乗せることができない。その結果、業界は数少ない既存の施設に依存せざるを得ず、駆除のピークシーズンには処理能力が限界に達することが多い。
“2025年度、日本全国で駆除されたクマの数は1万頭を超えた。”
クマの駆除数の増加と処理施設の能力との乖離は、野生動物管理と持続可能な食料システムを統合しようとする日本全体の苦闘を反映している。ジビエへの料理上の関心は高まっているが、産業インフラの欠如により、駆除という公共安全策が、経済的に実行可能で持続可能な食料資源へとまだ転換されていないことを意味している。




