神奈川県茅ヶ崎市の「はちち農園」は、土壌中に二酸化炭素を固定するため、不耕起栽培を取り入れている [1, 2]。

このアプローチは、農地を「炭素吸収源」へと変えることで、環境再生型農業(リジェネラティブ・アグリカルチャー)への転換を目指すものである。伝統的な耕起(土を耕す作業)を避けることで、大気中への温室効果ガスの放出を抑制し、同時に土壌の健康状態を向上させている。

代表の絹川桃面氏が運営する同農園は、植え付け前に土を反転させない手法である不耕起栽培を専門としている [1, 2]。茨城大学農学部の小松崎昭一教授は、稲わらなどの作物残渣を田畑に戻すことで、それが土壌に蓄積される炭素となり、土地が二酸化炭素の吸収源として機能するようになると述べている [1]

はちち農園はこの手法を大豆の栽培に適用している。収穫された大豆はアイスクリームに加工され、環境に配慮した農業から付加価値の高い製品を生み出している [1, 2]。絹川氏は、大豆は育てやすく長期保存が可能であること、またアイスクリームとして製品化することでフードロスを最小限に抑えられると語った [1]

炭素固定技術と食品生産の統合は、農業における循環型モデルを提示している。土壌構造を維持することで、商業製品を生産しながら環境への影響を最小限に留めている [1, 2]。

気象予報士の福山佳奈氏は、このアイスクリームが不耕起栽培で収穫された大豆からのみ製造されていると説明した [1]

不耕起栽培により、作物残渣が土壌に蓄積される炭素となり、二酸化炭素の吸収源となる。

はちち農園のような小規模事業者が不耕起栽培を採用することは、気候変動を緩和するための環境再生型農業のトレンドが高まっていることを示している。土壌を破壊すべき媒体ではなく、炭素の貯蔵庫として扱うことで、農家は食品生産におけるカーボンフットプリントを削減できる。さらに、これらの持続可能な収穫物をアイスクリームのような保存期間の長い製品に変換することで、農業廃棄物という構造的な課題への対処にも繋がっている。