日本の動物園や水族館が、来園者数の増加と一般市民の関心を高めるため、SNSで話題となるコンテンツを活用している。

これらのマーケティング戦略は、動物の展示をデジタル体験へと変え、世界的なトレンドを利用して若年層を惹きつけ、来園者とスタッフの間の個人的なつながりを育んでいる。

長崎バイオパークは2018年からTikTokの導入を開始した [3]。特に、カバがスイカを食べる様子をASMR形式で捉えた動画は、1億7000万回再生を記録した [1]。同園のTikTokフォロワー数は、その後182万人にまで増加している [2]

長崎バイオパークのSNSマネージャーである春岡俊彦氏は、動画を見たことで訪れる人が増え、全体の来園者数が向上したと述べた。また、デジタル上での発信により、飼育員とゲストの距離が縮まったとも語った。

春岡氏によれば、どの飼育員がどの動物を担当しているかがわかるため、ゲストがスタッフに話しかけやすくなったという。

同様の成功を収めているのが、東京のすみだ水族館だ。同館ではペンギンの「相関図」を導入している。この図は、飼育している58羽のマゼランペンギンの社会的な力関係や相互作用をまとめたものである [6]。一部の報告ではこの取り組みは2019年に始まったとされるが [4]、別の記録では2025年12月13日に「すみだペンギン相関図2026」が投稿されている [5]

これらの取り組みは、専門的な動物飼育員と一般市民との間にある心理的な隔たりを減らすためのマーケティングツールとして設計されている。動物たちの個性や社会的な階層を強調することで、これらの施設は物語性を創出し、リピート訪問を促し、観客からのより深い感情的な投資を引き出している。

「動画の再生回数が増え、それに伴い来園者数も増加した」

短尺動画や相関図を通じた「エデュテインメント(教育+娯楽)」への移行は、公共施設による保全と教育の管理手法の変化を示している。従来の生物学的な展示よりも、「シェアしたくなる」瞬間や動物の個性を優先することで、これらの施設はアテンション・エコノミー(関心経済)に適応し、財務的な生存能力と公衆の関心を確保しようとしている。