アーティストのJRは、2024年5月11日、パリのポン・ヌフに「La Caverne du Pont-Neuf」と題した大型のインフレータブル(空気注入式)作品の設置を開始した [1]

このプロジェクトは、市内でも最も歴史的なランドマークの一つを、一時的な没入型空間へと変貌させるものである。過去に芸術的介入が行われた場所を再訪することで、JRは現代のストリートアートを、フランスの首都における大規模な環境インスタレーションの遺産と結びつけている。

作品の全長は約120メートルに及ぶ [2]。これは、41年前に同じ橋を布で包み込んだことで有名なアーティスト、クリストとジャン=クロードの作品へのトリビュートとなっている [1]。今回の新作は、現代のインフレータブル素材を用いて歩行者に洞窟のような体験を提供しつつ、1985年のプロジェクトの精神を呼び起こそうとしている。

一般公開に先立ち、構造物の安全性を確保するため、5月中旬から設営が始まった [1]。本作品は2024年6月6日から6月28日まで公開される [2]

JRは、アイデンティティやコミュニティに焦点を当てた大規模なパブリックインスタレーションで知られている。今回のプロジェクトでは、橋という物理的空間を利用してパブリックアートの異なる二つの時代を繋ぎ、建築的な対話と歴史的記憶へと焦点を移している。このインスタレーションの一時的な性質は、短期間で撤去されたクリストとジャン=クロードのオリジナル作品が持つ、儚い特質を反映している。

インスタレーションの全長は約120メートルに及ぶ。

このインスタレーションは、都市芸術における「ラッピング(包囲)」と「介入」の伝統の継続を意味している。1985年のポン・ヌフの梱包を引用することで、JRは単に新しいスペクタクルを創出しているのではなく、公共インフラがいかにして芸術的表現のキャンバスとして一時的に再利用され得るかという、歴史的な対話に従事しているのである。