希少なアブキ(Korean Fir)の茎から得られた抽出物が、アスピリンの2倍以上の強力な血栓抑制効果を示すことが分かった [2]。
この発見は、血栓症の新たな医薬品開発への道を開くものであると同時に、絶滅の危機に瀕している種の保護という急務を浮き彫りにしている。本研究は、減少の一途を辿る天然資源から医療応用を実現するため、この植物が持つ独自の化学的特性に焦点を当てている。
研究の対象となったのは、韓国・京畿道加平郡の花岳山(Hwaaksan Mountain)周辺に自生するアブキである [1]。研究者によれば、野生に残っている同種はわずか15本であるという [1]。気候変動が個体数の急激な減少を招き、生存している樹木は極めて脆弱な状態にある。
京畿道森林環境研究院のチェ・ジョンウ研究員は、茎の抽出物には血液凝固を抑制する強力な成分が含まれていると述べた [1]。研究結果は、これらの成分がアスピリンなどの既存の治療薬よりも大幅に効果的であることを示している [2]。
この種が極めて希少であるため、同研究院は保全と商業利用を組み合わせた戦略を追求している。植物の薬用価値を活用することで、種の生存を確実にし、新たな健康製品の開発につなげるという狙いだ。
チェ氏は、「アブキの抽出物が、幅広い健康機能食品や医薬品に利用できることが証明された」とし、「今回の研究を通じて、技術移転による様々な製品や医薬品の開発に着手したい」と語った。
研究チームは現在、研究室での知見を臨床応用に移行させるため、特許取得と商業化に向けた取り組みを進めている。このプロジェクトは、抽出物の産業的潜在力と、残り15本の樹木を保存するという生態学的な必要性のバランスを取ることを目指している [1]。
“希少なアブキの茎の抽出物が、アスピリンの2倍以上の強力な血栓抑制効果を示す”
絶滅寸前の種から高効能の抗凝固剤が特定されたことで、医薬品としての利用と生物学的保全との間で葛藤が生じている。この発見は心血管医学における突破口となる可能性があるが、原料が極めて希少であるため、実用的な医薬品開発には有効成分の合成的な複製が不可欠となるだろう。



