是枝裕和監督の新作映画『Sheep in a Box』が、6月10日に韓国の映画館で公開される [1]。
高く評価されている是枝監督にとって、本作はSFへの新たな挑戦となる。ヒューマノイドロボットを用いることで、人間の悲しみの脆さを検証していく。理論上のユートピアと現実の不完全さを対比させることで、人工知能が亡くなった愛する人の後に残された感情的な空白を本当に埋めることができるのかを追求する物語だ。
物語の中心となるのは、亡くなった息子の代わりにヒューマノイドを導入したある家族である [1]。この設定を通じて、是枝監督は人間の感情とAIのプログラムされた反応との明確な違いを探求している [1]。本作は、2025年のカンヌ映画祭のコンペティション部門に選出されたことで、すでに国際的な注目を集めていた [2]。
創作プロセスに関する議論の中で、是枝監督は脚本の開発について言及した。脚本を改善するために母親の役割を深めるべきだという助言を受けたが、監督自身はそれらの具体的な提案に娯楽性を感じなかったという [3]。
是枝監督は、「非常に高く評価してくれた。母親の役割をより深く掘り下げれば脚本が良くなるという助言をもらった。すべての助言は正しいが、それが面白いとは感じなかった」と語った [3]。
本作は、デジタル復活の倫理やAIによるコンパニオンシップがもたらす心理的影響を分析するという、映画界で高まりつつあるトレンドの一環として公開される。現実の「不完全さ」に焦点を当てることで、監督は合成された完璧さよりも、真正な人間体験の価値を強調しようとしている [1]。
“人間の悲しみの脆さを検証するためのヒューマノイドロボット。”
『Sheep in a Box』の公開は、是枝監督のテーマ的探求が、伝統的な家族社会学からスペキュレイティブ・フィクション(思索的虚構)へと移行したことを反映している。ヒューマノイドという身代わりを用いることで、悲しみに関する議論を生物学的な領域から技術的な領域へと移し、AIの「完璧さ」が真の喪失のプロセスにおける障害となるのではないかという問いを投げかけている。





