ドイツのパダーボルンにある中世のトイレ跡から、13世紀の蝋製ノートと、トイレットペーパーとして使用されたと考えられている絹の断片が発見された [1, 4]。

今回の発見は、中世の日常生活、商業、そして個人の衛生習慣を垣間見ることができる稀有な機会となった。トイレの遺構はしばしば「タイムカプセル」のような役割を果たし、他の環境では通常腐敗してしまう有機物を保存する特性があるためだ [3, 4]。

回収されたのは、革ケースに収められた10ページの蝋製ノートである [1]。700年 [2] から800年 [1] の間にわたって埋没していたにもかかわらず、蝋のページに記されたラテン語の記述は判読可能な状態である [4]。また、このノートと共に絹の切れ端が発見されており、研究者はこれが高級なトイレットペーパーとして使用されていたと述べている [2]

専門家によれば、中世のトイレは考古学的に価値の高い堆積物であることが多いが、完全な状態で本が見つかるのは極めて異例だという。考古学者らは、中世のトイレは「ほぼ常に宝の山」であるが、それでも完全な本が見つかったことには驚愕している [3]

衛生管理に絹が使用されていたことは、このノートの所有者が相当な富や地位を持つ人物であったことを示唆している。13世紀当時、このような贅沢品が一般市民に普及していたわけではない [1, 2]。

ノートが保存されていた要因は、トイレ特有の嫌気性条件にあり、これにより革や蝋の分解が妨げられた。今回の発見により、歴史学者は中世後期の個人(おそらく商人など)がどのような記録をつけていたかを具体的に研究することが可能になる [3, 4]。

考古学者らは、中世のトイレは「ほぼ常に宝の山」であると述べている

この発見は、中世における生活水準の格差と、歴史研究における都市廃棄物サイトの有用性を浮き彫りにしている。高級輸入品である絹とラテン語の蝋製ノートが共存していたことは、この場所が読み書きができ、裕福な人物によって利用されていたことを示唆しており、13世紀の社会経済的データと個人の遺物が交差する稀な事例となっている。