シンガポールの南洋理工大学(NTU)の研究チームが、体内の狭い内部空間を移動できる種子サイズの外科手術用ロボットを開発した [1]。
この技術は低侵襲医療への転換を意味しており、大きな切開の必要性を減らし、患者の回復時間を短縮できる可能性がある。ワイヤレスで動作することで、これまで外科医が到達困難であった領域への精密な介入が可能になる。
Lum Guo Zhan准教授と博士課程のNicholas Foo氏らを含む開発チームは、ほぼ種子と同等のサイズのデバイスを製作した [1]。このロボットは、体内の狭い通路を通り、標的とした治療動作を行うように設計されている [2]。
研究者によると、このロボットは5つの異なる手術機能を実行できるという [3]。これらの機能には、組織の切除、薬剤の投与、および生物学的サンプルの採取が含まれる [2]。また、がん治療のための熱を発生させることができ、これらのツールの切り替えを1秒未満で行うことが可能だ [3]。
この汎用性により、複数の異なる器具を挿入することなく、単一の小型デバイスで手術の複数の段階を処理できる。ワイヤレス動作により、物理的なテザー(拘束線)の制約を受けることなく、腫瘍や閉塞した血管などの病変部位まで正確に誘導できる [2]。
この技術の発表は2026年5月26日に行われた [2]。NTUシンガポールのチームは、極小サイズでありながら安定性と機能性を維持できることに重点を置いて開発を進めた [1]。
“ロボットは5つの異なる手術機能を実行できる”
多機能ツールを種子サイズのフォームファクタに統合したことは、マイクロロボティクスの主要な限界であった「サイズと有用性のトレードオフ」を解消するものである。単一のデバイスで切除、治療、サンプリングを可能にすることで、外科的介入を手術台からより侵襲性の低い外来処置へと移行させ、狭い解剖学的空間における精密医療の提供方法を根本的に変える可能性がある。





