研究チームは、5300年前の[1]冷凍保存された「アイスマン」エッツィの遺骸の中から、生存可能な酵母を含む代謝活性を持つ微生物を特定した。

この発見は、特定の微生物が極低温下であれば数千年にわたって生存可能であることを示唆しており、古代人類の健康や環境適応に関する科学的な研究手法を変える可能性がある。

今回の知見は、生前に男性の腸内に生息していた細菌と、死後に遺体に定着した耐寒性真菌の組み合わせによるものである[2]。研究チームがこれらの生物を培養したところ、長い年月が経過したにもかかわらず、一部の微生物が活性を維持していたことが判明した[2]

エッツィは1991年[3]、イタリアとオーストリアの国境に位置するエッツタール・アルプスで発見された[3]。死亡時の年齢は約45歳と推定されている[3]。アルプスの冷凍環境が、遺体とその関連生物学的マーカーの両方にとって天然の保存剤として機能した。

本研究の目的は、古代のマイクロバイオーム(微生物叢)が生存可能かどうかを判断し、ミイラの中に保存されていた特定の耐寒性微生物を調査することであった[2]。これらの活性化した生物の存在は、数千年前の人間がどのような生物学的状態にあったかを知るための貴重な手がかりとなる。

遺体は発見以来研究されてきたが、生存可能な酵母を培養できたことは、細胞活動を維持するのに十分な保存状態であったことを示している[2]。これにより研究者は、宿主の元々の腸内フローラと、死後にシステムに侵入した真菌との相互作用を分析することが可能になる[2]

研究チームは、5300年前の冷凍保存された「アイスマン」エッツィの遺骸の中から、生存可能な酵母を含む代謝活性を持つ微生物を特定した。

エッツィの遺骸から生存可能な微生物が発見されたことは、古代のミイラでは生物学的活動が完全に停止しているというこれまでの想定を覆すものである。もし微生物が5000年以上にわたって代謝活性を維持できるのであれば、古微生物学に新たな道が開かれる。これにより、科学者は単に分解されたDNAに頼るのではなく、古代のサンプルから細菌や真菌の進化をリアルタイムで研究することが可能になる。