天文学者が、超大質量ブラックホールから観測された中で最速となる、光速の約30%で移動する紫外線風を発見した [1]

この記録的な流出は、超大質量ブラックホールがどのようにホスト銀河の成長を制御しているかという重要な洞察を与える。これらの風は膨大な量の物質を放出することで、新しい星の誕生を阻止し、宇宙の景観を作り変える可能性がある。

この発見は、York Universityの研究チームによって主導された [1]。チームは、地球から約30億光年離れた遠方の天体であるクエーサー「J2318」に焦点を当てて観測を行った [2]

研究者によると、これらの紫外線風はクエーサーの降着円盤によって駆動されているという。この円盤はブラックホールへと渦巻いて流れ込むガスと塵で構成されており、そこでの強烈な熱と放射線が物質を驚異的な速度で外側へと押し出す。この風は時速約2億マイル(約3.2億km)で移動している [1]

このような強力な流出は、周囲の環境に深刻な影響を及ぼす。これらの風は、銀河が星形成に必要とする冷たいガスを掃き出す能力を持つ [1]。この不可欠な燃料がなければ、新しい星を創造するプロセスが抑制され、結果として銀河のサイズと進化が制限されることになる。

今回の観測は、クエーサー・フィードバックの研究における新たな基準となる。ブラックホール風はこれまでにも検出されていたが、J2318からの流出の速度と強度は、過去の記録を塗り替えるものである [3]。このデータは、ブラックホールとホスト銀河の相互作用が、従来のいくつかのモデルが示唆していたよりも激しく、影響力が強いことを示唆している。

超大質量ブラックホールから観測された史上最速の紫外線風

これらの高速風の発見は、超大質量ブラックホールの「フィードバック」メカニズムを実証するものである。星形成ガスを排除することで、ブラックホールは銀河のサーモスタット(温度調節器)として機能し、銀河が大きくなりすぎたり、星を速く作りすぎたりすることを防ぐ。これにより、なぜ一部の銀河が休止状態で留まり、他の銀河が進化し続けるのかを天文学者が理解する助けとなる。