2024年3月4日、黒海においてロシアのドローン攻撃がパナマ船籍のバルクキャリア「Victress」を襲い、乗組員1人が死亡した [1]

ロシアが貿易や穀物輸出に利用される海上ルートを標的にし続けているなか、今回の攻撃は、同海域における商用船運航の不安定な現状を浮き彫りにした。こうしたエスカレーションにより、紛争海域で活動する民間船員のリスクが高まっている。

ウクライナのオレクシイ・クレバ副首相は、攻撃によって船内で火災が発生し、エジプト人乗組員1人が死亡したと述べた [1]。報告によると、死亡した乗組員は58歳だったという [2]。事件はウクライナのオデッサ沖で発生した [1]

クレバ氏は、「ロシアのドローン攻撃が貨物船を直撃し、火災の発生とエジプト人乗組員の死亡が確認された」と語った [1]

ウクライナ外務省の報道官は、Victressへの攻撃は国際法の明白な違反であり、黒海における民間船舶の航行を危険にさらすものであると述べた [2]。ウクライナ当局は、商用船を標的にした今回の動きを、世界の海運安全に対する脅威であると表現している。

さらにウクライナ国防省の声明では、今回の事件が同海域における商用船への危険性の増大を際立たせていると指摘した [3]。黒海は紛争の主要な舞台となっており、ドローンやミサイルによる攻撃が軍事施設のみならず民間インフラをも頻繁に標的にしている。

ロシア側はVictressへの攻撃に関して公式な声明を出していない。しかし、今回の攻撃は、ウクライナの海上物流および経済活動を妨害しようとするロシアの定石に沿ったものである [2]

「Victressへの攻撃は国際法の明白な違反である」

外国籍の乗組員を乗せたパナマ船籍の船舶が標的となったことは、黒海における紛争が国家間の戦闘員にとどまらないことを示している。ロシアが商用船を攻撃することで、世界的な海運の保険リスクと運航コストが増大し、国際的な運送業者がウクライナの港への寄港を避けるようになり、結果として同国の経済的孤立を深める可能性がある。