SpaceXは2026年6月初旬にNasdaqへの新規株式公開(IPO)を準備しており、目標評価額は1.75兆ドルから2兆ドルの間とされている [1]。
この動きは、史上最も期待される市場参入の一つとなる。しかし、公開の構造が人為的な価格圧力を生み出し、株価が企業のファンダメンタル価値から乖離する可能性がある。
市場関係者や学者は、パッシブ系のインデックスファンドが取引可能な株式の約30%を吸収する可能性があると指摘している [3]。特に注目すべきは、全株式に占める予想浮動株比率がわずか3%から4%にとどまる点だ [2]。公開される株式数が少ない中で機関投資家からの需要が高まると、ファンドがインデックスのウェイトを維持しようと競い合い、価格をさらに押し上げるフィードバックループが誘発される可能性がある。
この潜在的な需要の急増は、数百億ドル規模の資本を意味する [4]。インデックスファンドは追跡する市場指数を再現するために株式を購入しなければならないため、現在の価格に関わらず買い付けることが多い。この機械的な買い付けプロセスは、たとえ基礎となるビジネス指標がそのようなプレミアムを正当化しなくても、バリュエーションを膨らませる可能性がある。
Elon Musk氏をはじめとする同社の経営陣は、非公開企業から米国取引所の上場企業への移行を進めている。総評価額と、実際に取引可能な限定的な株式数の乖離は、新規投資家にとってボラティリティの高い環境を生み出す。
もしインデックスファンドが浮動株の大部分を飲み込んでしまえば、個人投資家やアクティブトレーダーが利用できる残りの株式はさらに少なくなる。この希少性は、Nasdaqでの取引開始後数日間に極端な価格変動をもたらす可能性がある。
“パッシブ系のインデックスファンドが、取引可能な株式の約30%を吸収する可能性がある。”
この状況は、パッシブ運用が価格発見機能を上書きしてしまうという、現代の株式市場におけるシステム的なリスクを浮き彫りにしている。SpaceXのような巨大企業が極めて少ない浮動株で市場に参入した場合、インデックス追跡という機械的な要件が「バブル」効果を生み出す可能性がある。つまり、株価がこの航空宇宙企業の実際の財務実績ではなく、ファンドの運用規定上の必要性を反映することになるという意味だ。





