米国農務省(USDA)の当局者は6月3日、テキサス州の生後3週間の子牛から肉食性の寄生ハエの幼虫を検出した [1, 2]。
今回検出された「新世界クルミバエ(New World screwworm fly)」は、家畜集団に壊滅的な打撃を与え、牛肉価格の高騰を招く可能性があるため、極めて重大な発見とされる [2, 3]。
寄生が確認されたのは、メキシコ・米国国境から約48キロメートル離れたラ・プレーリー付近である [3]。USDAはさらなる拡散を防ぐため、現場周辺に半径20キロメートルの検疫区域を設定した [1]。
米国でこの寄生虫が検出されたのは約10年ぶりのこととなる [2]。ただし、別の報告では60年ぶりの検出であるともされており [3]、この時期の食い違いは、当該地域においてこの寄生虫がいかに稀であるかを浮き彫りにしている。
USDAの広報担当者は、クルミバエが動物の傷口に数百個の卵を産み付け、孵化した幼虫が生きている肉を食べるため、動物が死に至る可能性があると述べた [2]。当局によると、このハエは現在寄生被害が増加しているメキシコから米国に侵入した可能性が高いという [2]。
この寄生虫は主に家畜に影響を与えるが、米国疾病予防管理センター(CDC)は、人間への感染は稀であると指摘した [2]。CDCの報告によれば、2025年8月に中央アメリカから米国に帰国した人物に1件の感染例が確認されている [2]。
業界アナリストは、この寄生ハエが広範囲に広がった場合、牛肉価格の上昇を加速させる可能性があると分析している [2]。
“クルミバエは動物の傷口に数百個の卵を産み付け、孵化した幼虫が生きている肉を食べる。”
テキサス州で新世界クルミバエが再出現したことは、米国の農業サプライチェーンが国境を越えて侵入する害虫に対して脆弱であることを浮き彫りにした。この寄生虫は死肉ではなく生きた組織を標的にするため、健康な家畜を急速に衰弱させ、畜産農家にとって極めてリスクの高い状況を作り出す。検出場所がメキシコ国境に近いことは、現在のバイオセキュリティ障壁の不備、あるいは隣接地域での寄生虫の急増を示唆しており、食肉市場の経済的不安定を避けるために、より厳格な家畜検査や地域的な検疫プロトコルの導入が必要になる可能性がある。





