メリーランド州とオンタリオ州の保健当局は、屋外で過ごす際にマダニ媒介疾患への予防策を講じるよう、市民に呼びかけている [1, 2]。

環境の変化により、草地や森林地帯でクロアシマダニ(black-legged ticks)がより一般的になっている。天候の温暖化と屋外活動の増加が重なり、これらの地域の住民にとって感染リスクが高まっている [1, 2]。

オンタリオ州のシムコー・ムスコカ地域では、地区保健局が2026年5月21日にガイダンスを発出した [1]。当局は、簡単な対策によってマダニが媒介する疾患の伝播を防げると述べている。このガイダンスでは、特に植生が密集している場所など、マダニが繁殖しやすい地域での警戒の必要性に焦点を当てている。

同様に、メリーランド州保健局も2026年5月初旬に公衆衛生キャンペーンを開始した [2]。このキャンペーンは、春の深まりとともに、住民にマダニ媒介疾患への防衛策を周知することを目的としている。メリーランド州の当局者は、市民がマダニに接触した際の兆候を認識し、適切に対処できるよう、コミュニティへのアウトリーチに注力していると述べた。

クロアシマダニの増加の主な要因として、気候変動が挙げられている [1, 2]。気温の上昇により、これらの寄生虫は生息域を拡大し、年間を通じてより長い期間活動することが可能になる。この変化により、以前は影響が少なかった地域でも、人間がマダニに遭遇する確率が高まっている。

保健局は、森林や草地に入る際は保護服を着用し、忌避剤(虫除け)を使用することを推奨している。また、屋内に戻った直後に、身体と衣類にマダニが付着していないか徹底的にチェックすることを勧告している [1, 2]。重症化のリスクを軽減するためには、マダニの早期発見と除去が極めて重要である。

気候変動により、森林や草地でクロアシマダニがより一般的になっている。

北米の保健機関が同時に警告を発していることは、温暖化によって疾患を媒介するベクター(媒介生物)の地理的範囲が拡大しているという、より広範な生態学的傾向を示唆している。マダニの個体群が新たな地域へ移動し、冬を越しやすい環境になる中で、公衆衛生戦略は「季節的な警告」から、屋外活動愛好家に対する「恒久的な行動変容」へと移行しつつある。