ドナルド・トランプ大統領は6月9日(火)、イランが合意の一環として、長期的な核査察に「完全かつ全面的に同意した」と述べた [1]。
米国とイランが3か月近くにわたる戦争を終結させようとする中で、こうした矛盾する報告が表面化している [2]。核監視に関する合意に至らなければ、軍事的な敵対関係が長期化し、ホルムズ海峡の不安定な状況が続く可能性がある。
トランプ氏は、イランが核兵器追求を断念し、米国と包括的な合意を結ぶ意向を示したと述べた [3]。また、最終的な解決までの期間は短く、2、3日以内に合意に達する可能性があるとしている [4]。
一方、テヘラン側は、核査察に関するそのような合意は一切ないとして否定している [1]。トランプ氏が平和合意が間近である証拠としてこの主張を掲げている一方で、この矛盾は解消されていない。
報告によると、米国の計画にはイランに対し300億ドルの民生用核合意を提示することが含まれている可能性がある [5]。この経済的インセンティブは、現在進行中の交渉の主要目的である、イランを軍事的な核能力保有から遠ざけることを意図したものだ。
大統領が楽観的なスケジュールを提示しているものの、状況は依然として不安定である。トランプ氏がこれらの主張を行う間も、米国はイランの標的に対する攻撃を継続していた [6]。ホワイトハウスの公的な主張とテヘラン側の否定との乖離は、現在の外交努力の脆弱さを浮き彫りにしている。
“「イランは長期的な核査察に『完全かつ全面的に同意した』」”
トランプ大統領の主張とイランの否定との乖離は、成功を公言することで相手に圧力をかけ、あるいは市場に自信を示すという、ハイリスクな外交戦略を示唆している。すでに3か月に及ぶ戦争が始まっている中、300億ドルの民生用核インセンティブは経済外交への大きな転換を意味するが、米国の軍事攻撃が継続していることは、この「合意」が実効的なものではなく、依然として理論上の段階にあることを示している。



