ドナルド・トランプ大統領は、米国はUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)がない方が状況が良くなると述べ、協定の更新や新たな合意を望まない意向を示した。
USMCAは米国、カナダ、メキシコ間の物品およびサービスの流れを規定しており、今回の発言は北米の貿易関係に転換点をもたらす可能性があることを示唆している。
フランスで開催されたG7サミットでの演説で、トランプ氏は同協定が米国に利益をもたらしていないと述べた [1]。また、協定を終了させることが米国経済および労働者にとってより良い結果になると主張した [1], [2]。
トランプ氏は「我々はその協定がない方がうまくいく」と述べ [1]、米国はUSMCAなしの方が好ましいとした [2]。
これらの発言は、同協定が重要な期限を迎えている中で出された。2024年7月1日のUSMCA見直し期限までに更新されなかった場合、10年間の脱退カウントダウンが始動する仕組みとなっている [3]。このメカニズムにより、加盟国は見直し期間後に脱退手続きを開始することが可能となる。
大統領のこうした言辞に反し、完全な破棄は現実的ではないとの見方もある。CBC Newsのアナリストは、トランプ氏が実際にCUSMA(カナダにおけるUSMCAの呼称)を破棄する可能性は低いと指摘した [4]。これは、現政権の公的な交渉姿勢と、実際に意図している政策行動との間に乖離がある可能性を示している。
USMCA(カナダではCUSMAとして知られる)は、デジタル貿易の近代化や労働・環境基準の更新を目的に、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わって導入された。トランプ氏の現在の立場は、こうした多国間枠組みから離れ、異なる貿易形態への移行を望んでいることを示唆している。
“「我々はその協定がない方がうまくいく」”
大統領の発言は、北米のサプライチェーンに不確実性をもたらしている。言辞こそUSMCAからの完全な離脱を示唆しているが、正式な見直しプロセスと10年間の脱退期間が存在するため、即時の崩壊ではなく構造的な移行となる。このアプローチは、義務的な見直し期間において、より有利な条件を引き出すための交渉材料として利用される可能性がある。



