英国において、大学を卒業して5年が経過しても、国家生活賃金(National Living Wage)を下回る賃金で働く卒業生が相当数に上っている [1]。
これらの結果は、高等教育の経済的価値や、現在の教育システムが学生を労働市場に適切に送り出せているかという疑問を投げかけている。授業料の高騰と学生ローンによる債務が深刻なままである中、相当数の卒業生が生活賃金を確保できていない現状は、学術的な資格と雇用主が求めるニーズとの間に乖離があることを示唆している。
Policy Exchangeの報告書によると、21歳以上の国家生活賃金は時給12.71ポンドである [1]。この基準を下回る卒業生の割合に関するデータは、報告書によって異なる。ある情報源では、卒業から5年後の卒業生の10人に1人がこの時給を下回っているとしている [3]。しかし、Policy Exchangeの調査に基づく別の報道では、その数字はさらに高く、卒業生の4分の1以上が生活賃金を下回る賃金で働いていると述べている [2]。
経済的な苦境は、最低賃金の基準だけに留まらない。大学卒業から5年後、全卒業生の半数が、全国の中央値である年収35,000ポンドを下回っている [5]。この傾向により、毎年約15万人の卒業生が中央値の給与に到達できず苦戦していることになる [6]。
また、労働市場に参入した後の雇用の安定性も課題となっている。卒業から15ヶ月後にフルタイムで就業している卒業生は、わずか半数を少し上回る程度である [3]。このような所得の格差は、「学位があれば中産階級としての経済的安定が保証される」という考えがもはや通用しなくなっているという懸念を浮き彫りにしている。
Policy Exchangeは、これらの数値が高等教育セクターに関するより広範な懸念を強調していると述べた [2]。同報告書は、学位取得による所得向上の可能性という「約束」が、人口の相当な部分において実現されていないことを示唆している。
“卒業生の10人に1人が、5年後も時給12.71ポンド未満で働いている”
授与される大学学位の数と、高給な専門職の求人数との乖離は、英国における「学位のインフレ(Degree Inflation)」の可能性を示唆している。相当数の卒業生が、卒業から数年経っても国家生活賃金を下回るか、あるいは中央値の給与に達していないということは、労働市場が特定の資格で飽和状態にあるか、あるいは大学のカリキュラムと雇用主が求めるスキルとの間に構造的なミスマッチがあることを示している。





