2026年5月に行われた卒業式において、アリゾナ大学とセントラルフロリダ大学の卒業生たちが、人工知能(AI)を称賛する講演者にブーイングを送った。
こうした反応は、テック業界の楽観論と、不安定な就職市場に飛び込むZ世代の経済的な不安との間に高まる緊張を浮き彫りにしている。経営者側がAIを前進のためのツールと見なす一方で、学生たちはそれを自身の職業的安定に対する脅威として捉える傾向を強めている。
ツーソンにあるアリゾナ大学では、2026年5月12日の演説中、Googleの元CEOであるEric Schmidt氏に対し、明らかなブーイングが飛んだ [1]。この反発は翌5月13日のセントラルフロリダ大学の春季卒業式でも続き [2]、名前を明かしていないある企業の幹部による講演に対しても同様の敵意が向けられた。
その式典の中で、同幹部は「AIは次の産業革命である」と述べた [3]。この発言に対し、卒業生からは即座にブーイングが起こった。学生たちは、こうしたレトリックが現在の雇用情勢という現実から乖離していると感じたと語った。
一部の卒業生は記者に対し、卒業式の場でAIの話を聞きたくないと語った。質疑応答の時間に、ある学生は「AIに仕事を奪われるのが怖くてたまらない」と述べた [4]。
これらの出来事に関する反応の規模については、報告によってばらつきがある。AIをテーマにしたレトリックに対する広範な反発があったとする記述がある一方で [5]、一部の学生はテクノロジーへの言及に拍手を送っており、反応は分かれていたとする報告もある [6]。
報告にばらつきはあるものの、一連の出来事は、新たな労働力となる世代が、専門領域へのAI導入をどのように見ているかという意識の変化を強調している。この摩擦は、AIを「不可避な恩恵」とする物語が、自動化によって最も影響を受ける可能性のあるエントリーレベル(初級職)の層には響いていないことを示唆している。
“「AIに仕事を奪われるのが怖くてたまらない」”
これらの出来事は、AIをマクロ経済の推進力と見る経営層の視点と、個々の労働者が抱く職を失うことへの恐怖との間の断絶を象徴している。AIの導入が加速するにつれ、経営者が用いる「産業革命」という枠組みは、これらのツールを協力者ではなく競合相手と見なす卒業生世代を、さらに疎外させる可能性がある。




