米国在住の韓国人医師、歯科医師、弁護士らが、ブラジルのサンパウロに住む第一世代の韓国人移民高齢者に無料の医療サービスを提供している [1]。
この取り組みは、言語の壁によりブラジルの医療制度を利用することに困難を感じている高齢移民にとって、医療アクセスの深刻な格差を解消することを目的としている [1]。診療所ではすべてのサービスを韓国語で提供することで、高齢者が本来であれば避けていたであろう、文化的・言語的に適切なケアを受けられるようにしている。
「ナヌム・クリニック(Nanum Clinic)」として知られるこの月例の無料診療所は、韓国人が多く居住するサンパウロのボンエチロ地区で運営されている [2]。同施設では、血圧や血糖値の測定を含む不可欠な健康診断のほか、専門的な医療相談や歯科検診が行われている [1]。
診療所には、韓国医師会および韓国歯科医師会のボランティア専門家がスタッフとして参加している。直近の診療では、地域住民の約40人が受診した [1]。
受診したある人物は、「心臓の調子があまり良くないと思う」と健康への不安を口にした [1]。これに対し、医療ボランティアは「今日は循環器科の医師が来ているので、その先生のところへ案内します」と答え、専門医への受診を調整した [1]。
このコミュニティ主導の取り組みは、過去60年にわたりサンパウロに根を下ろしてきた人々を支援している [2]。ボランティアたちは、高齢者が韓国語を話さないスタッフに誤解される不安なく、症状について話し、診断を受けられる安全な環境を提供することを目指している。
“この取り組みは、高齢移民における医療アクセスの深刻な格差を解消するものである。”
ナヌム・クリニックの事例は、高齢化する移民人口が直面し続けている「医療的言語孤立」という課題を浮き彫りにしている。第一世代の移民が移住先で数十年にわたり生活していたとしても、複雑な健康上の症状を現地語で伝えられないことが、治療の遅れや健康状態の悪化につながることが多い。このような国境を越えたボランティアモデルは、国家のインフラが多言語サポートを提供できない場合に、ディアスポラの専門家ネットワークを活用して必要なセーフティネットを構築する手法を示している。





