国連世界気象機関(WMO)と気候科学者らは、今年、中程度から強力なエルニーニョ現象が発生する可能性が高いと警告している。
この気候パターンは、人間活動による温暖化を増幅させ、世界的に異常気象の頻度を高める可能性があるため重要視されている。エルニーニョは太平洋を横切って暖かい海水を移動させることで、大気循環を変化させ、大量の熱を大気中に放出する。
エルニーニョ現象が発生すると、貿易風が弱まり、暖かい表層水がアジアから南米に向けて東へと移動する。この変化が通常の気象パターンを乱し、一部の地域では記録的な豪雨を、別の地域では深刻な干ばつをもたらすことが多い。科学者らは、こうした自然な変動が、既存の地球温暖化傾向を加速させる「ターボチャージ」のような役割を果たすと述べている。
予報士らは、この現象が間もなく発生する確率が高いと分析している。6月から8月の間にエルニーニョが発生する確率は80%であり [1]、そのパターンが少なくとも11月まで続く確率は90%に達するという [2]。
さらに先を見据えると、2026年末にエルニーニョが再来するという報告もある [3]。この再来により、2027年が世界的な最高気温の史上新記録を更新する可能性がある [3]。ただし、2026年に「スーパー・エルニーニョ」が発生するかを断定的に予測するには時期尚早であるとする専門家もいるが、科学界での懸念は高まっている [3]。
ITV Newsの科学特派員であるMartin Stew氏は、この現象が気温急上昇の自然な要因として作用すると指摘する。温室効果ガスの着実な増加と組み合わさることで、結果として生じる熱が世界平均気温を危険なレベルまで押し上げる可能性がある。
“エルニーニョは太平洋で自然に発生する気候パターンであり、世界的な気温を上昇させる可能性がある。”
エルニーニョのような自然サイクルと、人間活動による気候変動の相互作用は、相乗効果を生み出す。エルニーニョは周期的に起こる自然現象だが、温暖化というベースラインの上に世界気温を急上昇させる能力を持つため、気候の臨界点(ティッピング・ポイント)を超えるリスクを高め、より低温な環境を前提に設計された世界的なインフラに負荷をかけることになる。





