米国の住宅所有者が2024年4月、過去最高に近い割合で不動産市場から物件を取り下げた [1]。
この傾向は、住宅市場における膠着状態の深刻化を示唆している。需要が冷え込んでいるにもかかわらず、売り手が提示価格の引き下げを拒んでいるため、利用可能な在庫が減少し、潜在的な買い手にとって状況はさらに困難になっている。
データによると、2024年4月中に米国の全住宅物件の5.8% [1] が市場から取り下げられた [1]。一部の報告では、この数字をほぼ6%と概算している [2]。これは2020年3月以来、最高の間引き率(デリスティング率)となる [6]。
市場分析担当者は、取り下げの急増は住宅ローン金利の上昇と、買い手の選別眼が厳しくなっていることの組み合わせによるものだとしている [3]。関心を引くために提示価格を下げるのではなく、多くの住宅所有者が物件を完全に市場から取り下げる道を選択している [3]。
この現象は、いくつかの主要都市圏で特に顕著である。アトランタでは、4月に物件の約10%、つまり10軒に1軒が取り下げられた [3]。サンノゼもそれに続き、取り下げ率は約9%に達した [3]。
他の都市でも同様の傾向が見られた。ロサンゼルス、ダラス、シアトルの物件取り下げ率は7.7%から7.8%の範囲であった [3]。これらの数字は、売り手の期待と現在の買い手の能力を一致させることが、全米規模で困難になっていることを浮き彫りにしている。
需要の減退により、多くの売り手が不満を募らせている。価格競争に巻き込まれたり、低い提示額を受け入れたりする代わりに、住宅所有者は市場環境が変わるのを待つことを選択しており、それが現在の販売物件の不足に拍車をかけている。
“2024年4月、米国の全住宅物件の5.8%が市場から取り下げられた。”
取り下げの急増は、売り手が現在の市場価値を受け入れないという、住宅価格における「心理的底値」が存在することを示唆している。価格を割り引くのではなく物件を取り下げることで、売り手は自身の資産価値(エクイティ)を維持しようとしている。この行動は、買い手の支払能力と売り手の期待値との乖離が埋まらず、取引量が大幅に減少する「凍結市場」を招くリスクがある。





